3/10の本ブログで「チェックインのひととき」と題して登場した品川区のTPホテル、その快適な滞在の様子を記しましたが、その正体はグランドプリンスホテル高輪です。
今日はその後日談を記します。
実はこのグランドプリンスホテル高輪、東北大震災の影響でその後しばらく休業しておりました。
6月上旬から営業を再開したのですが、その間に一度、私は仕方なく代替で、隣接するグランドプリンスホテル新高輪に宿泊致しました。
同じプリンスホテルで、ましてや同じ敷地内にあるのだからどちらでもいいではないかと思われるかもしれませんが、そこはそれ、やはりいつも慣れ親しんだ空間とスタッフの皆さんに触れ合えない寂しさが募ります。
そんな思いと共に予約した新高輪に、その日チェックインしたのは深夜0時を回った頃でした。
閑散としたフロントで手続きを終えると、とても好感の持てる中国名の女性スタッフから一通の手紙を渡されました。
部屋に入って早速封を開けると、それは高輪でお世話になっているフロントリーダーからの直筆の手紙でした。
これも以前ブログで書いたように、私は直筆の手紙に弱いのですね。
お忙しい中、自分に宛ててペンを走らせて頂いたその方のお気持ちを思うと、それだけで胸に熱いものが流れます。
その手紙には、高輪が休業している事のお詫びと、そしてスタッフ一同再開に向けて頑張っている様子とが丁寧な文字で綴られていました。
そして便箋の一番下には、グランドプリンスホテル高輪自慢のきれいな庭園の写真が貼られていました。
この手紙を読んだだけで、今回あえて新高輪に泊まった価値があったという思いでいっぱいでした。
思いには思いで返そうと、翌朝ホテル備え付けの便箋で、私もそのフロントリーダーへの手紙を直筆でしたためました。
それを持ってチェックアウトの列に並ぶと、昨夜チェックインを担当してくれた女性が目の前でお客様の手続きに追われています。
私は順番を後続に譲り、あえて彼女の前に進み出て、昨夜の心地よい対応のお礼を述べました。
笑顔で言葉を返してくれる彼女に、これをフロントリーダーに渡して欲しいと手紙を差し出すと彼女はハッとした様子で「少々お待ち下さい」とバックヤードに引っ込み、入れ替わりですぐにそのフロントリーダーが姿を見せました。
改めて彼の気持ちにお礼を言い、しばし会話に花を咲かせ、営業再開の際にはお伺いする事を約束してホテルをあとにしました。
そして先日。
約束通り、宿泊のためグランドプリンスホテル高輪を訪ねました。
品川駅からいつもの坂道を登り、途中に庭園内を突っ切る近道はあるのですが、滞在の始まりは正面からといういつもの思いで坂道を登り切り、入口への道のりを歩いていると・・・。
タクシー乗り場前のデスクに立っていた旧知のドアマンの女性が笑顔で私の名前を呼び、「お帰りなさいませ!」という掛け声とともに小走りで駆け寄ってきてくれました。
そして私に先立って入口の自動ドアをくぐり、「和田様ご到着です!」とフロントに引き継ぎます。
フロントの女性も「お帰りなさいませ」と笑顔で応え、その温かな受け答えに私の気持ちも弾みます。
さあ、今日も待ちに待った、心躍る楽しい滞在が始まります。