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あずさ号の宿

2009.08.09

上田市に「夢ハウスあずさ号」という変わった名前のお店があります。
その名の通り、特急あずさ号がトレードマークのこのお店、驚く事に本物のあずさ号の先頭車両が来た人をお迎えしてくれます。
実はこのお店、そのあずさ号の中で泊まる事ができる1日1組限定の民宿なのです。

ご主人の鈴木さんは16年前に脱サラ、そしてJRと交渉の末、念願叶ってあずさ号の先頭車両を譲り受ける事に成功します。
JRの車両基地からあずさ号が2台のトレーラーにまたがり、深夜から早朝に掛けて何時間もを費やして一般道を走り、無事到着して降ろされた時の光景を昨日の事のように思い出します。

このあずさ号の先頭車両、ドアや警笛など今でもしっかりと作動するバリバリの現役で、全国から定期的に鉄道ファンが集ってはボランティアでメンテナンスを請け負ってくれています。
運転席では実際に運転操作に触れる事もでき、まるで童心に返ったような気分を味わえます。
そして車内に一歩足を踏み入れるとそこには畳が敷き詰められ、ここが宿泊スペースになります。

実は先日、このお店が全国放送で取り上げられました。
テレビ東京「日曜ビッグバラエティ/どうせ行くならこんな宿、この夏勝負!旅館大奮闘記」。

せっかく楽しい施設が満載のこの宿にもっともっとお客を呼び込もうと、お笑いコンビTake2の深沢が訪れて、一緒に頭を捻った末に出た結論が、食事のグレードアップと新しい企画の発案。
まず食事は、この宿の手打ち十割蕎麦に並ぶ看板メニュー、「手作り釜飯」の味を変えようと、鈴木さんは浅草の老舗釜飯専門店の門を叩きます。
そこで新しく生まれ変わった釜飯の味に深沢も思わず太鼓判。
更にはすぐ隣を流れる千曲川の鮎をご主人自ら塩焼きにして出す一品を加えるなど、これまでとはひと味違った品々が画面を通じて食卓を飾りました。
加えて、宿泊された方にはそば打ち教室の体験やご主人自らの上田市の観光案内など様々なオプションが加わり、新装「夢ハウスあずさ号」が出発しました。

ちなみに放映の翌日立ち寄って伺ってみましたら、ひと晩で8月いっぱいと9月の祝祭日の予約は埋まってしまったそうです。
かなりのお客様にお断りのお返事もせざるを得なかったそうで、テレビの力恐るべし!の思いを改めて実感させられました。

ちなみにこの「夢ハウスあずさ号」、食事のスペースも広々とありますので、お蕎麦だけを食べにというお客様も大歓迎です。
何よりもこのお店の一番の名物、ご主人の鈴木さんに会いがてら、ぜひ一度いかがですか?

夢ハウスあずさ号ホームページ
http://www.yumehouse.co.jp/

と、ここまで書いて、翌日メールチェックをしましたら、ご主人の鈴木さんからご丁寧な返信が届いておりました。
その中で、ご主人がお客様に宛てて記された「追伸」をそのまま掲載させて頂きます。

もし「寄ってみよう」と思われた方は、予約必死! TEL0268-27-4130
☆列車内食事OK(温度調整任せてください)。
☆「運転席で警笛鳴らしたい」(これは通常1,000円ですが、和田龍さんからの紹介の方は無料)
☆お急ぎでない方は「目の前で十割そばを打ちます」(10分くらい)。そして、目の前で茹でて、お食べ頂きます。
お会いできる事を楽しみにしております。駅長