記事一覧

今年も龍勢祭

2009.10.12

ファイル 138-1.jpgファイル 138-2.jpg

毎年10月の第2日曜日。
埼玉県秩父市下吉田(旧吉田町)で、今年も400年の伝統を誇る「龍勢(りゅうせい)祭」が開催され、私も参加して参りました。

青空が広がる快晴のもと、前日にテレビ東京「アド街ック天国」の「西秩父」編で、ほぼ全編を通してこの「龍勢祭」が紹介された事もあってか、例年をはるかに上回る多くの観客が周囲を山に囲まれた下吉田の地を訪れました。

会場の一角に位置する椋神社に奉納する神事として執り行われるこの「龍勢祭」。
地元の27つの流派が独自の伝統に則って、松の木に火薬を詰めたロケット(=龍勢)を1ヶ月掛けて作り上げ、それを山の中腹に建てられた発射台から15分に1発ずつ打ち上げるという、壮大で他に類を見ないお祭りで、埼玉県の無形文化財にも指定されています。

点火と同時に導火線を伝わるバチバチッっという火花が会場一帯に鳴り響き、その直後ゴーッ!という巨大な轟音とともにロケットが大空目掛けて打ち上がります。
そしてロケットが上空に達したところで、中に仕込まれたパラシュートが開いて悠然と舞い降りてくると大成功、会場一帯は大歓声と大きな拍手に包まれます。
ただしどの龍勢も成功するとは限らず、中には点火の瞬間、あるいは打ち上げの途中で爆発してしまうロケットもあとを絶たず、だからこそ見事に打ち上げに成功した龍勢には流派を越えて惜しみない拍手が送られるのです。

私と龍勢祭との繋がりは今からさかのぼる事10年ほど前、流派のひとつ「光和雲流」を構成する和田若連の皆様と廻り会えたのがきっかけでした。
「和田」と「龍」繋がりで「和田龍」の私をお仲間に加えて頂き、それからずっと私も和田若連のハッピを着させて頂いて、毎年この日を心待ちにしています。
昨日も午後4時半に打ち上げとなった和田若連の龍勢ロケットは、轟音を鳴り響かせて見事に垂直に打ち上がり、まさしく「龍」のように舞うその姿を目の当たりにしながら、私も興奮と感動に打ち震えました。
そしてそれは、発射からわずか数秒間のために全身全霊を傾ける龍勢に携わる皆さんの心意気に、改めて敬意の思いを新たにしたひとときでもありました。

1年が龍勢に始まり龍勢に終わるこの下吉田の地、翌日からまた来年に向けての龍勢がスタートを切りました。